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万年筆のインクが適正に出るか確認する

最近、「万年筆がうまくかけないので嫌い。」「インクが出ない。」「書き出しに引っかかりを感じる。」というコメントが寄せられます。

万年筆は、ペンとペン芯の間をインクが毛細管現象によってペン先まで流れる構造によりインクが出てくる仕組みになっています。

ペンとペン芯の状況

Cimg7292

ペンをばらしてみました(゚゚ )☆\ぽか
あー、普通の方、初心者の方はやらないでください。
万年筆の種類によっては、ペンを首軸に固定するフィン(突起)などが出ていたりします。
また、首軸の内側からペンとペン芯を差し込んでいるタイプもあります。(昔のパイロット・パーカーなど)

特にモンブランやペリカンなどの高級品は下手に触ると、二度と元に戻らなくなる恐れがあります。

また、このように自分で開けてしまった時点で、メーカー保証外になります。(^^;
どうしても、分解してみたい方。
あくまでも、自己責任でお願いします。
もし、壊してしまったり、元に戻せなくなっても、私ならびにメーカーは一切保証しません。

というのも、写真の万年筆の場合は、見ていただくとわかりますが、ちゃんとペンをペン芯に収めるガイドラインが付いていますので、万年筆が書きやすい理想の位置にペンが収まるようにデザインされています。
しかし、普通の万年筆の場合、ペンは付けペン用のペンと同じでガイドがないものが多いです。
したがって、下手に分解するとどのように合わせたら良いかわからなくなってしまい、収納時にペンが出過ぎたり、奥に入れすぎたりして以前より書きにくくなる可能性が高くなります。

前置きが長くなりましたが、ペン芯の中央部には、このように細い溝が2本ないし3本あります。
中央部にインクが流れ、左右の2本は空気が通る溝になっています。

写真は、ウォーターマンのクルトゥール・ライト・ソフト

まず、ペン芯とペンがちゃんとくっついていないとインクがペン先まで降りてきません。
書けない原因の一つですね。

昔の万年筆はペン芯がエボナイトでできているモノも多く、ペン芯とペンが離れている場合、ペン芯を暖めてペンと合わせてなじませる事もできます。
ただし、最近のモノは多くが樹脂でできていますので、下手に暖めない方が良いです。
溶けてしまう可能性がある上、ペン芯の溝が埋もれてしまう恐れがあります。
長原神さまが、濡れたティッシュを包んでライターであぶったりするパフォーマンスがありますが、あれはエボナイトなどを暖めてペン芯とペンを合わせるという事をやっています。

Cimg7294

こちらがインクを保持するフィン部分。
これは、水性ボールペンにもあるものなので、見たことがあると思います。
この部分には、余分なインクがペンまで行って、紙にボタ落ちしてしまわないように保持するものです。
ちなみに、この辺のデザインもメーカーや万年筆の種類によっても異なります。

ハート穴
クルトゥール・ライト・ソフトには、ペンにハート穴は空いていませんが、多くの万年筆にはハート穴が空いています。
ま、ハートの形をしているモノばかりではなく、○が多いです。
切り割りの末端部ですね。
これは、インクをペン先に持って行くと同時に、空気が入るようになっています。
ハート穴の大きさによって、ペンの柔らかさが変わってくるという効果もあります。

いかん、解説だけでここまで来てしまった(^^;

長くなりましたので続きます(゚゚ )☆\ぽか

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万年筆」カテゴリの記事

コメント

初めて買ってもらった万年筆(ウォーターマン)は落としてしまい、ペン先がグニャリ(涙)
直せるかとペン先を分解したらケツに飛び出ている細い部分がポキッと…
結局諦めました。
初心者の浅はかかつ無知な行動でした(涙)

控え級の万年筆がラミーサファリとペリカンjrです。1つ前のテーマで書かせていただきましたが、インクの出が悪いし、引っかかります。幸い、購入店が見てくれると言うことなので、店に持参する予定です。
それにしても、空いている時間帯に店で(特に座って)万年筆を試し書きしていると、それだけで幸せな気分です。家に帰りたくないような(苦笑)。

こういう微妙なバランスで成り立っているのですね。
すぐにばらしてみたくなる、超初心者(私のことです。笑)にも良くわかる解説で参考になります。
って言っても、分解はしないつもりですが、、(笑)
インクジェットプリンタのカートリッジにも通ずるものがありそうに思いました。

メーカーによってペン芯やニブの固定方法が違うので初めて分解するメーカーの場合は緊張します。
主要メーカーの製品の構造を解析したメンテナンスマニュアル本が欲しいですねぇ…

としゆきさん
インクを引き込むためのポッチを折ってしまったら痛いですね。
でも、何事も勉強でヾ(^ )コレコレ

私は、怖いモノ知らずなので、できそうなモノはすぐにやって
しまいます(゚゚ )☆\ぽか

サファリが調子悪くて店に持ち込んだときは、店頭で分解してくれて、こんなに単純な構造なんだ、と感心しました。
ペン先はたくさんあるからいつでもまた持ってきてください、といわれたのにもビックリ。

メーカー(取次店かな)から部品(ペン先)を仕入れているんでしょうか。分解されたときの、あの単純な構造にはガクッときましたが、見ていてとっても面白かったです。

やまかんさん
本来は、安い万年筆でも試し書きをさせてくれる店でしたら
試し書きをして買ったほうが良いとは、店の人やメーカーさん
の言葉です。
ただし、その際に注意が必要なのは、付けペン(インク瓶に
ペンを付けて)で試し書きする場合、インクがペン芯に潤沢
にある状態でお店で書くので、実際本来のカートリッジから
インクが流れてくると、「あれ、こんなに書きにくかったか?」
ということもあります。

また、お客さんの中には、試し書きをした上で、新しいモノを
買うという人もいます。
何のために試し書きしたのか(笑)

見ていただけるのでしたら、その方が安心できて良いですね。
ペン先がずれていると、引っかかりを感じます。

招き猫さん
普通はペンとペン芯を合わせて、首軸の中に入れてあるだけ
なので、無印万年筆とかも引っ張れば抜けます。
(硬いモノもありますが(^^;)
どうも、電脳小物と言い、万年筆と言い、時計と言い。
開けてみたくなるというのが人情で(゚゚ )☆\ぽか(゚゚ )☆\ぽか

過去に2本ほど床に落としたり、キャップを閉めるときに曲げて
しまいましたが(^^;
全部自力で直しました。
ペンクリニックの先生に、良くここまで直したねと感心されまし
た。
もっとも、最終の微調整はしっかりやってもらいましたが(^^;

注:普通の人は、落として曲がってしまった場合は、自分で
  直そうとはせずに、店に持って行きましょう。
  下手に直すとペン先が取れてしまう可能性が(^^;

lloigorさん
私も欲しいですが、下手にそういう本を出すと、みんな分解
しようとするので、出さないのだと思います。(^^;
神様に相談するとか、聞いてみるとか(笑)

あと、特殊な工具がないと開かないものもありますので、
要注意です。

やまかんさん
私もサファリは良く分解します(゚゚ )☆\ぽか
ペン芯が抜けないときでも、ペン先のみ簡単に外れますから。
でも、あまりいじってばかりいると、ペンとペン芯の隙間が
緩くなってしまう可能性があるので、ご注意ください。
(゚゚ )☆\ぽかオマエモ

そういえば私、もう1本万年筆を持っていました。セーラーのリクルート万年筆。千円です。買って間もなくインクが漏れ出して、キャップの内側が汚れるようになり、使うのをやめました。こんな安いペンでも丸善などで時々している無料修理で取り扱ってもらえるのでしょうか。

おじさんさん
ペンクリニックのことでしょうか?
それなら、見てくれると思います。
雑誌のおまけの万年筆を持ってくる人もいますから(^^;
機会がありましたら相談してみてください。
セーラーのペンクリニックが良いでしょうね。

招き猫さん、つい先日、yahooオークションで、外国の本で、自分でメンテナンスするマニュアル本が出ていました。
うわぁ、ウォッチリストに載せていたのに、消えてしまっているー。
たしか、アメリカの本で、初期3000円くらいしてたのであきらめたのですが、(外国語じゃ読めないし)世の中にはあるものなんだなあ、と思ったことを思い出しました。
すみません、役に立たないことを書き込みまして。
あ、管理人さん、万年筆で検索かけるといつも違う語彙で、ここがヒットします。大変な量の資料が書かれているんですね。
ちなみに、万年筆全部をダウンロードしようとすると、フリーズ3回したので、あきらめて、こまごま読んでいます。しくしく。

白髪猫さん
はじめまして、コメントありがとうございます。
そんな本があったのですね。
うわ、欲しかったかも(^^;

申し訳ございません。
店主(プロバイダ)に代わってお詫びします。
興味があるキーワードがありましたら、カウンタの下にある
検索をしていただければ、ブログ中の検索をしてくれます。
そちらで挑戦してみてください。

日本橋丸善に行ったりして楽しみ始めました。
新たな悩みは、インクをどれにするか。仕事で使うインクを探しているので耐水性があること、そして、好きな色(ブルー系かバイオレット系)です。

ラミーのブルーとペリカンのブルーを使ってますが、これはどうやら耐水性はゼロのようですので、ブルーは止めます。ブルーブラックかバイオレットを選びたいと考えてます。
ブルーブラックは現在流通しているのなら万年筆の中で固まったりしないと考えて良いんでしょうか?候補は、パイロット、セーラー、ペリカンあたり。
バイオレットでは、シェーファーかエルバンの色が気に入りましたが、これらは万年筆に悪さするような色じゃない?

要は、2万円の万年筆に入れるインクを決めきれないという情けないという所です。カートリッジインクはBBKであっても、耐水性が無い、とききましたので、インクボトルにするつもりです。

ラミーサファリは、お店の人がペン先を簡単につけてははずしているを見て、目が点になりました。

アドさん
万年筆とインクの沼は底なしですので(笑)
あまり深みにははまらない方が良いですよヾ(^ )コレコレ

どの万年筆のインクも、書いてすぐに水に当たった場合は流れ
てしまいます。
耐水・耐光と言われているのは、記入後数週間経ってから安
定するものです。

フル-ブラックの場合は、耐水性よりも耐光性ですね。

ブルー(ロイヤルブルー)は、発色も良く、万年筆との相性が
抜群です。
ただし、おっしゃるように耐水・耐光性はあまり良くないと言わ
れています。

一般的にブルーブラックは、耐光性があると言われています。
これは、長時間おくと、化学変化でインクが酸化して紙に定着
するためです。
この現状は、古典的なブルーブラックと呼ばれているものがそ
れに該当します。
現状で、古典的なブルーブラックと言われるのは、モンブラン、
ラミー、ペリカンだったかと思います。
(詳しい方補足お願いヾ(^ )コレコレ)

それ以外のものは、最近の万年筆事情に合わせて成分を調
整してあるように聞きました。
いわゆる、万年筆にインクが流れやすく、かつ固着しないよう
に界面活性剤などが含まれているとのことです。

耐水・耐光テストは私はしたことがありませんが(^^;
興味があれば、こちらを参考にしてください。

セーラーの極黒とプラチナのカーボンインクは耐水性がありま
す。ただし、どちらもペン芯のインク誘導溝が詰まる恐れはあ
ります。
でも、毎日使っていれば問題ない範囲でしょう。
この2つのインクを入れたまま、乾燥してしまうことが怖いです。
特に、カーボンインクはカーボンと言われているだけあって、
固着する可能性は高いようです。

参考サイト:インク研究会(ブルーブラックの耐水・耐光について)
http://members.jcom.home.ne.jp/y-mo/fullhalter/ink19.html
詳しく載っています。

あと、バイオレットはきれいですが、レッド同様長期間使ってい
ると、ペン芯やペンの周り、コンバーターの透明部分に色が染
みついてしまう場合があります。
インク吸入3回に1回程度、洗浄すると良いかも知れません。
私は、赤専用のペンにしてしまっています。

バイオレットは、耐水・耐光性はほとんどないと思ってください。
ただし、どの万年筆のインクも、直射日光に当てない限り、
すぐに消えてしまうモノではありません。

こんばんは
先日書いておいた、万年筆のメンテ本が、またオークションに出ていました。
いやー、欲しい人はいっぱいいるのですねえ。
始まりが5000円で、7月2日20:00現在1万円突破してますわ。
オークションのを書いておきますけど、いいのかなあ。
http://page10.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/m57923203
まずいようでしたら消してください。

まずい、欲しくなってきてしまった。(^^;
でも、経済状態が破綻しそうなのでやめておきます。
もし手に入れられた人がいらっしゃったら、教えてください。

白髪猫さん
ま、万年筆の分解やペン先の研磨を趣味や生き甲斐としている
人でしたら、挑戦すればよいかなと(^^;
それにしても、現行の書籍ですよね。
それなら、通販で頼めば良いのに(^^;
そもそも、売価が5500~6000円でしょ。高すぎますね。
私なら、ネット通販で買いますってば。(゚゚ )☆\ぽか

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