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入門者向け万年筆の選び方(吸入機構メリットデメリット)

吸入機構の違いによるメリット・デメリット

それでは、ピストン吸入式とカートリッジ・コンバーター両様式とのメリット・デメリットについてです。

★ピストン吸入式のメリット

○一度に大量にインクを万年筆に入れることができます。

一般的にはタンクの容量にもよりますが、1.5CCと言われています。
万年筆の太さによって、1.0CCかそれ以下のものもあります。
ここでは入門者・初心者向けに書いているので簡単に流しますが、パイロットのカスタム823という万年筆は、プランジャー吸入式という独特の方式を使っているので、カタログ上は1.5CCと書いていますが、1.9CC近く入るものもあります。

○好きな色のインクを入れることができます。

基本的には、同じメーカーのインクを入れるようにします。
そうしないと、不具合が発生したときに、保証が受けられなくなります。
特にモンブランなどは厳しいです。(^^;
ただし、別メーカーのインクを入れたからと言って、書けなくなる訳ではありません。
注:公証人インク、製図インク、アクリル系インクなど特殊なインクは入れるとペンとペン芯の間でインクが固まってしまう可能性もありますので、箱に注意書きがありますので入れないようにしましょう。箱や売り場が一緒なので注意が必要です。
間違って入れてしまってもすぐに水で洗い流せば大丈夫なこともあります。

○ピストン吸入をすることにより、ペン芯とペンの間のインクの通りが良くなる。

最近のインクは、インクのフローが良くなるような活性剤(潤滑剤?)が含まれているようで、インク瓶から吸入する時にある程度流れを良くする。と聞きました。

○水洗いをするときに、楽。(^^;

インクの色を変えたり、使わなくなってしまっておくなどを行うときに、洗浄が必要になります。
ガラスコップに、水かぬるま湯を入れて、インクを入れるような動作、おしりを回したり閉めたりすることにより、本体と、ペンの間にあるインクを洗い流すことができます。
※コンバーターも同様です。
インクカートリッジを刺したまま長い間使わなかった万年筆は、ペンとペン芯の間に溜まったインクが固まってしまう事が多く、新しくカートリッジを刺しても使えない事が多いです。
ペンクリニックに持って行く人の大半がこのような状況になっていますので、使わなくなったときには洗浄してきれいな状態にしてからしまっておくのが良いですね。

■ピストン吸入式のデメリット

●インクを吸入するのが面倒くさい。

ペンクリニックなどで並んでいると、インクを吸入するのが面倒くさい。とおっしゃる年配の方がいらっしゃいます。
インクを色々替えるのが楽しいと言う方もいますが、世の中色々な方がいるものです。
※含むコンバーター

●インクを吸入した後に余ったインクを処理するのが大変
●手が汚れる(可能性がある)

ペン先をインク瓶の中に突っ込んで吸入しますので、タンクが一杯になったあと、ペン先に沢山インクが残っています。吸入した後に、3~4滴インクを瓶の中に戻してから、万年筆を上に向けてピストンを閉めると自然にインクタンクの中にペン周りに余っているインクは吸い込まれますが、ペンや付け根の部分には若干インクが残っています。これをティッシュなどで拭き取ります。
そうしないと、だぶついたインクがキャップの中に広がってしまい、キャップをおしりにはめた時に、今度は手などに付いて大変なことになりますので、普通は吸入後にはペン周りを拭くようにします。
※含むコンバーター

※けっこう、インク瓶のキャップを開けたときに水泡ができていて、割れるとインクが飛び散ったり、吸入時にシャツにインクが付いたりする可能性がありますので、注意して扱ってください。

●インクが空になってしまった場合、書けなくなる

以外とありがちなのが、出かけているときにインクが切れてしまうこと。
ピストン吸入式の万年筆の多くは、インク窓がありますし、コンバーターの場合も、開けて確認することができますので、この辺はデメリットにもならないと思います。(^^;
長期出張の時には、インク瓶を持ち歩くという人もいます。
トラベルインクポットという、持ち運び用のインクタンクもありますが、普通に買っても万年筆がもう一本買える位の値段なので(^^;
必殺のインク用補助瓶に、プラモデルの塗料に使う瓶(プラカラー用)があります。だいたい80円前後で売っています。これだと密閉性も良いです。

★カートリッジ・コンバーター両様式のメリット

○手軽に使える

カートリッジを刺す事でいつでもどこでも使えます。
予備を持って行くこともできます。
ヨーロッパタイプカートリッジの場合、ショートタイプとロングタイプがあります。
ショートタイプのカートリッジは、ペンの形状にも寄りますが、裏返して胴軸(胴体部分)に入れることができるものもあります。
カートリッジの形状について詳しくはこちら

○コンバーターを使うことによって、ピストン吸入式と同じように使える

■カートリッジ・コンバーター両様式のデメリット

●インクの量が少ない(ものもある(^^;)

上では、1.5CCと言いましたが、だいたい0.4~0.5CCが標準になります。
ロングタイプだと1.0CC程度入るものもあります。
ヨーロッパタイプのショートカートリッジは、0.4~0.5CCとなりますので、インクは少ないですね。
国産のものでも、0.5~0.7CC程度です。

注:すぐに書けなくなると言うわけではありません。念のため。
ただし、コース、ズーム、ミュージック、いわゆる極太と言われている万年筆はインクフローが良いためすぐになくなってしまいます。(^^;
EFやF、M程度だとそれなりに書けますのでそれほど心配はいりません。

●コンバーターも入るインクの量は少ないです

下手をすると、吸入機構があるためカートリッジより少ない場合があります。
パイロットの場合、CON20、CON50、CON70と3種類のカートリッジがあります。
CON70はだいたい、0.7CC程度は入ると思いますが、パイロットの万年筆も種類が沢山あるので、使えないものもあります。

●コストパフォーマンスが悪い

インク瓶の場合、だいたい30CCから50CC(一般的)のインクが入っています。メーカーによって値段はピンキリですが。
だいたい国産のもので500~800円くらいでしょう。外国のものだと800円~3000円と幅広いです。
それが、カートリッジの場合、0.5CC程度のカートリッジ6本で600円前後が標準かな?海外の場合。
国産のは10本で500円~600円前後でしょうか?
あー、セーラーのカートリッジは100均で5本というのもありますが(^^;色が違います。
単純に考えても凄く高いですね。

まとめにはなりませんが、だいたい上記の状況になります。
参考にしていただければ幸いです。

◎おまけ

◆インク補充用注射器

※最後に、なるべく使い終わったカートリッジは捨てずに再利用しましょう。(^^;
コンバーターがなくても、100均でコロン用(化粧品用スポイト)注射器を用意すれば、好きなインクを使うことができます。
だいたい、10回程度は使えると思います。
カートリッジの挿入口がゆるくなったり、カートリッジが劣化して割れなければ使えます。

◆万年筆と飛行機の関係

検索で多いのがこれです(^^;
良く、万年筆をポケットに入れて、飛行機に乗ったら気圧の変化でポケットが真っ青(真っ黒)になってしまったという話を聞きます。
昔の万年筆は多かったようですね。
今のも機構はそれほど大きな違いがないので発生しないという保証はありませんね。
飛行機に乗る場合の注意点は、インクは満タンにするか、空にしましょう。
中途半端に空気が入っていると大変なことになる可能性があります。
コンバーターを使っている人は、ペン先を上に向けて空気を出してしまえば大丈夫のようです。
注:最近は飛行機に乗ることがなくなってしまったので、インク量による人柱実験はできていません(゚゚ )☆\ぽか
誰か補足お願い(^^;

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コメント

ZEAKさん!おはようございます!
うーーーん!補足ですか~私も飛行機には最近あまり乗りませんから無理ですね・・・・・(゚゚ )☆\ぽか(笑)
っていうか、いろいろ参考になりました!ありがとうございます!
私は今はコンバーターで使っていますが、次に買うのはピストン吸入式になるかと思います^^;多分

ブングさん
静岡空港が出来たら、実験お願いします(゚゚ )☆\ぽか

>次に買うのはピストン吸入式・・・
何か気になるo(^o^)oワクワク

私は両用式には空カートリッジにボトルインク注入派です。
大抵の場合、コンバーターよりカートリッジのほうが容量が多いので容量重視で。
紹介されている100均の注射器型スポイトを愛用しています。
透明軸の万年筆に限り、見栄を張ってコンバーターを使いますが(笑)

連投失礼。
インク持ち運び用にプラカラー瓶を紹介されていましたが、無印のエッセンシャルオイル用の瓶も使いやすいですよ。
http://www.muji.net/store/cmdty/detail/4945247030617
密閉性が高く、サイズも手頃で、インクの吸入もし易いです。
タミヤカラーの瓶と比べるとちょっと値が張るのが難点ですが…

いろいろな角度からの、メリット・デメリットは面白いですね。
私は、単純に、倹約家?ケチ?!のため、経済的なメリットの方を選びます。
あとは、見た目!!ボトルインクが机上にあるだけでかっこいいー!!

lloigorさん
おっしゃるように、コンバーターよりカートリッジの方がインクは
沢山入ることが多いですね。
なるほど、確かに無印の瓶も選択肢にはありました。
でも高かったので(^^;
あと、以前のネタの中に、100均の樹脂ケースは漏れるという
コメントがありましたので、今回は入れませんでした。

ぐっちーずさん
普通の方は、コストパフォーマンスを選ぶと思いますね。
ただし、上に書いたように、実用重視、手軽さ、面倒くさいとい
う理由で、カートリッジを選ぶ方もいますので、世の中面白い
です。

確かに、ボトルインクは見た目というのはありかもしれません。(笑)
おしゃれなインク瓶というのもありますので、そちらを別途購入
して使うというのも手ですね。
ただし、替え用のインク瓶は、どちらかというと付けペン用であ
ることが多いため、密閉性に問題がある場合がありますね。

コンバーター式でもピストン吸入式でも、インク瓶に突っ込んだ時にペン先のどこまで浸してよいのか加減が難しいものですね。
私、ビスコンティのトラベルインクポット持っていますが、使うのは海外出張の時だけで、普段はパイロットのドクターグリップの握り部分のシリコンゴムが丁度よく伸縮しますから、それを外して万年筆にかぶせ、上向きにしてインクをスポイトで注入して吸入させることで代用しています。これだと、余ったインクは瓶に戻すこともできますし、グリップが汚れませんし、たっぷりとインクも入りますから一石三鳥です。
飛行機に乗る時は、ロットリング・イニシャルがAPCシステムという漏れ防止機構を持っていてお勧めです。(海外出張に何度も持って行ったが、確かに漏れない。)
しかし、使う時以外はポリ袋かフリーザーパックに入れておくだけでも漏れませんから、普通はそれでよいと思います。

神坂俊一郎さん
ドクターグリップ(部分)の使い方、いいですねぇ。
今度試してみます。
面白い使い方で参考になります。

イニシャルは良い万年筆ですね。ただし、もう店頭在庫のみに
なってしまいましたね。残念です。
ポリ袋、フリーザーパックは良く言われるやり方ですね。
経験によるコメントありがとうございました。

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