万年筆のメインテナンス(本体+革小物編)
前回は、キャップ内の清掃について紹介しましたが、今度は本体。
軸などについて紹介します。
手っ取り早いメンテ商品を探すなら、カメラ店ですね。
レンズクリーナーをはじめとする様々なツールがキットになってパッケージされています。
これがその一例。
右:トレーシー。メガネやカメラのレンズについた指紋や油汚れなどをふきふきするものです。
中:セーム革。カメラ本体などの汚れを取るもの?
左:レンズクリーニングキット(レンズ用のティッシュ:目が細かい、レンズクリーナー、ブロワーなどが入っています)
トレーシーとセーム革は、万年筆の軸など本体のほか、手帳などの革製品を拭くだけで手垢や汚れが取れて綺麗になります。
トレーシーは洗えば何度でも使えます。
もう一つ。
万年筆の本体の汚れ・くすみはこちら右にあるプラスチックみがきクロスで対応します。
ただし、こちらは研磨剤が入っていますので、重傷のもの以外はあまり使わない方が良いでしょう。
触ると粉っぽい物が手に付きますので、私も古い発掘万年筆をメンテする時に使う程度です。
中央は、ラッピングフィルム。
これは、クレジットカードサイズに切って、万年筆の切り割りの清掃や筆記時にひっかかる感じがするときに、ペン先をすりすりする用に使います。
ラッピングフィルム、要は目の細かなヤスリですので、こちらも使い加減によってはペン先のIRIDIUM(イリジウム)やイリドスミンなど、万年筆の心臓部を破壊してしまう恐れがありますので、注意が必要です。
多少調整する場合は、8の字もしくは∞を描くようにして、正方向、逆方向、10~20回程度力を入れずにすりすりして、筆記。
書き味が戻れば良し。
それを数回やってもだめな場合は、ちゃんとした所に修理に出した方が懸命です。
全国各地で定期的に開催されている、ペンクリニックに持ち込むこともお薦めです。
やりすぎは返って万年筆を傷めるので、初心者の方、筆圧が強い方には勧めません。
革クリーナー
専用のクリーナーはなかなか入手が困難なので、近所の薬局やホームセンター、スーパーなどで入手が楽なのがこちら。
一応、ミンクオイルなども含有されているので、手軽に革製品を綺麗にするのには便利です。
ただし、こちらも革の素材やコーティングによっては激しく色落ちするので注意が必要です。
直接噴霧するより、ティッシュや目の細かい布などに吹き付けてから目立たない部分にちょっと当てて(拭いて)試すのが良いです。
と言うのも、直接革に噴霧するとシミができたり、コーティングがはがれたりする恐れがあります。
普通は、上に上げたトレーシーで拭くだけで指紋や油汚れは適度に取れますので、そちらを先にやって気になるようでしたら使ってみる程度で良いかと。
このほか乱暴ですが、劣化の激しい革の手帳や油が切れてかさかさになった手帳は、革靴用の靴墨を使うというのも手です。
ただし、こちらは、メンテしたあとにしっかり拭き取らないといつまでも黒や茶色の靴墨が手に付いたり服や鞄に付くので注意が必要です。
新年を迎えるに当たって、家の掃除だけでなく、万年筆や革製品の手帳・バッグなども掃除をしてあげましょう。
参考までに、過去にメンテナンス関連のリンクを付けておきます。
超音波洗浄器:これはペン芯などにこびりついたインクを洗浄するために使っています。安いモノだと3000円程度で入手可能。専門だと何万もします。
ロットリング洗浄液:間違ってアクリルインクを入れてしまったり、昔のブルーブラックなどのインクがペン芯で固まってしまった場合に使います。
インク強制洗浄用スポイト、作り方:使い終わったカートリッジと駒込ピペットのゴムを使って、強制的に洗浄するスポイト。
インク補充用注射器:検索ワードで上位を占める(笑)使い終わったカートリッジは廃棄せずに洗浄して取っておきましょう。このインク補充用注射器を使えばボトルインクが使えるようになります。
地球に優しい、お財布にやさしいリサイクルです(^^;
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