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ペンクリニックにて

祭日24日に次いで、25日も平日にもかかわらず、昼休みに抜け出してまたぞろ出かけてきました(^^;
(もちろん会社には断っていますのでご安心を)

いつも思うのですが、ペンクリニックには本当にいろいろな方がみえますね。
万年筆が流行っているとは言え、特に年配の方が多いです。
最近では私達の世代前後の方も増えたように思います。(40代かな)

おばあさんが、直してもらった万年筆を受け取って涙ぐんでいたのが印象的でした。
川口先生によると、地方だと結構いらっしゃいますよとのことでした。

面白いのが、万年筆を返すときに、「あと50年は持つ、30年は持つ、20年は持つ」とそれぞれ万年筆のペンの太さによって、表現を変えていること。

首軸が割れてしまっているのは、「これは僕でも直せません」とお返しすることもありますが、たいがいのものは「応急処置ですが」と言いつつ、手持ちのパーツを工夫して直してしまうこと。

お客さんとの会話の中で
・お客さんは太字を好んでいるようですが、けっこう筆圧をかけている方なので、これから買うのならMFかFを勧めます。
・万年筆はそんなに力を入れなくても書けるようになっているので、もっとやさしく書いた方が良い。
・万年筆の持ち方に決まりはないので、好きなように持って書いた方がよい。
(ただし、方向によっては書けないので、その許容範囲内で書くこと)希望があれば、書き癖に併せて調整する。
・自分がやっているのは、万年筆本来の毛細管現象が自然に流れるように戻してあげるだけ。
・万年筆は最低3か月できれば3年書き続けていれば自分の書き位置(癖)ができて、今以上に書きやすくなる。
・初めて買ったときにフローが悪いと、力を入れて書くようになる。そうすると切り割りが開いて余計書けなくなる。だめだと思ったらすぐに近くのペンクリニックに持って行くと良い。
・最近のインクは、防腐剤が入っていないので使わなかったり、保管状態が悪いとペン芯の中でインクが固まってしまったりかびたりするので、3週間以上置かないで毎日少しずつでも書いてもらいたい。

とゆーようなことを来た方に説明していました。
だいたい知っていることですが、勉強になります。(^^;

待っている人がいなくなってから、壊れて書けないモノではなく、常時使っている何本かを持って行って見てもらいましたが、「調整しなくても良いです」と言われたのは1本だけ(^^;
ショルティをいきなり抜いて作業したのにはたまげました(@@;

それ以外、普通に書けて大丈夫だろうと思って差し出したものも、若干調整が必要ですと笑いながら調整してくれました。ほとんど1分以内の調整でしたが、見違えるほどの書きやすさになりました。

人が切れたので雑談していましたが、その中では。

100周年にはかかわらないか?
これは共同作業なので、多少は関係するが今はどういう路線でいくか各部門で研究中だそうです。

長原父は、もうペンクリには出なくなって、会社でペンづくりに専念していると言うことでした。
長原Jrは、仕事の傍らあちこち飛び回っているそうです。

川口先生の後継者はいないのか?
「いませんね~」の一言。

先生は26日(本日)名古屋で新製品の発表会に立ち会い、翌日東京。
で、それからニューヨークのペンショーに行って自宅に帰れるのは10月6日になります。
と言ってました。
いやはやすごいわ。
休めるのは移動中だけとのことでした。
体をこわさないようにお祈りしています。

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万年筆」カテゴリの記事

コメント

川口さんの後継がいないってのは心配ですね~
しかし何本持っていったのよ( ̄▽ ̄;)

どーむさん
私ですか?
初日5本、二日目5本ですから可愛いモノですよ(゚゚ )☆\ぽか

川口先生も普通2本、暇なら空いている時間に見てあげるから
って言ってくれるし(゚゚ )☆\ぽか(゚゚ )☆\ぽか

クレーマーくんはビジネスバッグめいっぱいに万年筆詰め込んであったから(^^;

Private Reserve関係の検索から来て初めて読ませて戴きました。在米13年になりますが、米国で万年筆業界に身をおいて、余暇に米国で万年筆調整やペン先研磨の小さなビジネスもやっています。セーラーに20年以上在籍して、川口にも調整のイロハを学びました。長原と川口は調整に対する考え方が異なります。どちらが正しいという事ではありませんが、万年筆に健康な毛細管の力を取り戻させるという調整の基本は私の調整の基本になりました。川口の後継者などという大それた事は言えませんが、川口の理念に沿った調整の考え方はちゃんと受け継いで続けて行きますし、長原JRにも時々助けて貰っていますが、彼のセンスはいつかSRを超えるのではと思わせられる物があります。日本ではありませんが、こんなのも居るんですよ♪

マイケルさん
はじめまして、コメントありがとうございます。
すごいですね。羨ましいです。

エントリで書いた後継者とは、全国を無料巡回してくれる
ペンクリニックを川口先生の後に継いでくれるという意味で
書かせてもらいました。
もうそろそろ引退なんてお話しを川口さんから聞いたもので。

日本で独立されていたらお伺いしたのに。(^^;

万年筆は、日本よりアメリカの方が使用者が多いのではと
思いますが違いますか?

サイト見させていただきましたが、調整費用もリーズナブルですね。
今後とも日本の万年筆調整技術を世界にアピールしてくださいね。

万年筆の使用者の数はどちらが多いか判りませんが、米国では純粋?なコレクターが「ミント・コンディション」(インクに一度も触れていない)の万年筆をひたすら集めていたりして、複雑な気もしたりします。調整の方ですが、自分の技術が高い等と思ったことは無かったのですが、それでも長い間万年筆を扱い、長原や川口のペンクリを手伝ったりして覚えたことで他人の万年筆を調整してあげて、書きやすくなった万年筆でサラサラ書きながら、下を向いている顔が思わずほころぶのを眺める楽しさは覚えました。やはり年配の方がより多い世界ですが、米国の万年筆コレクターやペンショーの常連に馴染みが多くなって、愛用の万年筆を私の所に調整を依頼して全米から送ってきてくれるのですからやりがいのある仕事(趣味?)となっています。また時々寄らせて戴きます。次に川口のペンクリに行く機会がありましたらアメリカのマイケルからよろしくと言付かっていると言ってみてください(笑)

マイケルさん
おっしゃるように、コレクターの方って収集し、所有するのに楽しみを見いだしているのはわかります。
日本でも結構いますね。
自分は、万年筆の奥が深いのは同じメーカーの同じ製品であっても、細いモノ、太く書けるモノ、引っかかるモノ、インクフローが良すぎるモノなど沢山あります。
安い実用性のある万年筆が中心になっていますが、いずれもインクを入れて書いています。
メーカーによって、またインクの種類によって書き味が大きく異なることが楽しいです。
書きにくいものだとそのままお蔵入りになるものもありますが、基本的には若干調整をして万全の状態にして、定期的にローテーションさせて使っています。(^^;

川口先生にお会いしたら、マイケルさんの事は伝えておきます。
また、ほぼ使用感をブログに書いていますが、なにか気になる点等がありましたらご指摘いただくか、コメントいただければ幸いです。

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