川口先生と雑談
先日公開しました記事の第二弾です。
懲りもせず、日曜日にも行ってきました。(゚゚ )☆\ぽか
今度も大量に。(笑)
調整していただいたのは、
カトウセイサクショ850
LAMY2000
プラチナミュージック
PMB-5000(ベラージュ)
2番目で、後ろには人がいなかったので、快く(って本当か?)調整していただきました。(゚゚ )☆\ぽか
いずれも書けるものなので、さくっと直してもらいました。
「加藤さんのですよね。これ鉄ペンだけど、いいものですよ」
といきなりペンを抜いてサラサラ調整。
LAMY2000は、簡単にペン先をちょこちょこ研いで完了。
プラチナミュージックは、
「切り割りが2本あるので、良くずれるものを見かけます。これは真ん中が少しずれていますね。うちも昔はミュージックを切り割り2本でやっていたけれど、使用者によりずれが多くなるので、新しいのは切り割りを一つにしたんですよ」
PMB-5000は、
「プラチナのって結構切り割り堅めのが多いね」
なかなかフローが良くならないので、「もしかしたら、インクかも。ヤンセンのインクだから」と言ったら。
「ヤンセンは使わない方が良いよ。pHが違うから。使うのならペリカンが最高ですよ」
だって。
先生に言わせるとモンブランもだめだとか。クインクはフローは良い方だそうです。
この間7分ほど。
後もお客さんが来そうにないので、雑談タイム。
色々話したので、忘れちゃったのもありますが。
1.万年筆は1気圧の中でしか書けない
だから、吸入式の容量を大きくするのは困難である。だいたいが1.5cc前後。2ccにすると、途中でインクが下りてこなくなり、書き味も悪くなるとか。
レアロを開発したときも試行錯誤して、大変苦労したんだそうです。
なので、1.5cc前後しか入らないんだそうです。軸を太くしてインクの容量を多くしようと思っても、上記の件から限界があるんだそうです。
823の場合は、吸入の方法が違うので結構入るんだとか。
2.ペン芯が命
気圧の関係から話が続き、セーラーの場合ペン芯づくりに細心の注意を払っているとのこと。
ペン芯は、毛細管現象を使って、インクを淀みなくペン先まで供給しなければならない。
それは心臓と一緒だそうです。
早く書くとその分大量にインクをペン先まで供給し続けなければならない。
逆に、ゆっくり書くと適度にインクを供給する。
それができないと、インクが出ずに書きにくくなったり、書いている途中でインクがボタ漏れしてしまうらしい。
セーラーの良さは、ペン先の多様性もあるけれど、ペン芯が大変重要です。
とのことでした。
なるほど、納得できますね。
3.万年筆は最強の筆記具
水性ボールペン、ボールペン、シャープペンなどがあるけど、最高に調整した万年筆にはかなわないと思いますよ。
でも、万年筆の唯一のかなわないのが複写式の紙。
これだけはだめ、下手に書くとペンを痛めてしまう。
それ以外は万年筆で十分です。
調整すれば何十年も使える筆記具って万年筆以外にはないですよ。とも。
まーだいたいこんな事を熱く語ってくれました。
あまりに暇だったので、店の万年筆を調整してもらおうと営業の人が持ってきたら、
「今話をしているだろうが、余分なことはせんでええ~」って社員に怒っていました。(笑)
「先生は一年中全国飛び回っていますけど大丈夫ですか?」と聞いたら。
「昨年までは良かったけど、今年、日経新聞に載ってしまったら、今まで取引のない所からもペンクリニックの依頼が来てしまって、平日に開催を入れるしか無くなってしまったんです。先々月から74日間、家に帰れませんでした」
と・・・
店にあった「サファリスケルトンを買って調整してもらえますか?」と尋ねたら。
「良いですよ」
とのこと。
買ったペンを見てもらう間に3名ほど来ましたが、いずれも高齢の方で、それぞれ1本。(普通だろ)
でも、タンスに眠っていたものらしく。洗浄を必要としていました。
その間、先生が、持ってきた万年筆一式を、「これ試しに書いても良いよ」と手渡されたので、試し書きしまくり。(笑)
いずれも調整が行き届いているので、どのペンもフルハルターさんのペン同様にヌラヌラ。サラサラでした。
おまけに、在庫がMしかなかったのを、別のサファリのFと交換してくれて(笑)
「鉄ペンでも、調整次第で金ペンのような書き味になるんですよ」
と、ちょいちょいと調整してくれたら、こりゃまた絶妙な書き味。
「本来、出荷時にチェックしてから出せば、調整なんて必要ないです。まー、製造している会社のポリシーの違いですね」
と言っていました。
「だだしね、私が調整した万年筆でも、気に入るお客さんと気に入らないお客さんがいます。人によっては紙に当たるときにカリカリした方が良いと思う人もいるのですね。私の場合、インクが潤沢に流れて筆圧を必要としないように調整しているのですね。ですから、調整してもらって今までの書き味と違うとおっしゃる方も中にはいます」
とおっしゃっていました。
いずれにしても、人が少なかったので十分楽しい時間を過ごせました。
最後には、
「何か欲しいものがあったら、私に言ってください。できるだけ対応いたしますよ」
とお約束のあいさつをしてくれました。\(^o^)/
でも難しいんだろうな。
まー、行きつけの文具屋さんの営業さんが川口先生とは懇意にしているらしいので、ある程度の無理は利きそうな気がしますけど。
おまけ
セーラー社員によると、趣味の文具箱の新刊はセーラー万年筆がけっこう載っているとのことでした。
セーラーの社員、自社の万年筆でなく、白いサファリ使っていた(爆)
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おー、色々話されたんですねぇ。
この間の名古屋のペンクリではほとんど会話しませんでした(^_^;)
出張だとあんまり大量に持っていくわけにもいかないので、2本しか見てもらってないし。。。
>セーラーの社員、自社の万年筆でなく、白いサファリ使っていた(爆)
いいのかセーラー(笑)
おおらかな会社だなぁ。。。
投稿: どーむ | 2006年12月12日 (火) 12時52分
どーむさん
出張ではねぃ。
自分も待っている人が多い場合はいくら沢山持って行っても
出しませんよ、悪いから(汗)
まー、川口先生もすげーたくさん各社の万年筆持っているか
ら、研究のためと称すれば何でもありなんでしょう。
投稿: ZEAK | 2006年12月12日 (火) 14時08分