8月25日づけの日経流通新聞の特集記事「ヒットを狙え」の記事によると、
>万年筆が静かなブームだ。ボールペンなどに押されて国内市場は縮小していたが、
>ここに来て「書く」ことの見直しや「持つ」ことのファッション性などから底入れ感が出てきた。
そうである。
>売れ行きトップはモンブランだが、国内メーカーとして日本人に合った商品開発、サービスを
>続けるパイロットコーポレーションは二商品が上位に食い込み、伝統の強さを見せた。
と書き出しにある。
記事は、伊東屋本店5~7月のランキングを中心に分析。
ちなみにランキングは以下の通り。
>1位 マイスターシュテック145 (モンブラン)
>2位 カスタム742 (パイロットコーポレーション)
>3位 スーベレーン400 (ペリカン)
>4位 カスタム74 (パイロットコーポレーション)
>5位 ソネット (パーカー)
>6位 プロフェッショナルギアスリム (セーラー万年筆)
>7位 タレンタム (アウロラ)
>8位 レマン ロジウムコート (カランダッシュ)
>9位 カレン (ウォーターマン)
>10位 ラミー2000 (ラミー)
なるほど、納得のいくランキングと思います。
個人的にはセーラー万年筆の方が評価が上になるような気がしますが、やはりセーラー万年筆はマニアックなのか?
パイロットコーポレーションよりもマイナーというイメージは一般にはあるのかも知れません。
ペン先のユニークさや書きやすさはセーラー万年筆もがんばっていると思うのですが。
そもそも、一般の文具店にもパイロットコーポレーションのカスタムシリーズは置いてありますが、セーラー万年筆やプラチナ万年筆を置いてある店って少ないですね。(国内メーカーのインクは一通り置いてありますが)
残念なのは、プラチナ万年筆が入っていないこと。
プラチナ万年筆も良いもの作ってますけどね。
続く記事では、パイロットコーポレーションの売れ行きの分析をしている。
記事では主なものを3つあげている。
>1 漢字に向く書き味
確かにペン先のラインナップは豊富で、利用者の好みに合わせることができますね。
ちなみに、カスタム742では15種類、カスタム74では11種類のペン先が用意されている。
>2 一貫生産で値ごろ感
外国製の製品が3万円前後から始まるのに対して、パイロット(含むセーラー万年筆、プラチナ万年筆)は21000円(税込)、10500円(税込)とあるので、気軽に買える値段ですね。しかも、安いからと言って妥協せずに使いやすい万年筆を作ってくれています。
特に、入門編では500円~高額品では100万円までのラインナップ。
>3 充実のサービス体制
購入後にペン先の調整も対応しているとか。(これは知らなかった)
セーラー万年筆では昔からペンクリニックでメーカーの職人(技術者)さんが、全国各地を回って無料調整してくれているのは知っていましたが。
締めくくりとしては、Petit1の投入も大きかったと書かれている。
これは、315円(税込)という安さ、お洒落さで女子中高生をターゲットに展開している万年筆風の商品。
(厳密に言えば、インクフローなどの仕様が異なる)
このような商品を展開することにより、利用者層の拡大に努めているそうである。
いずれにせよ万年筆の発展はうれしいことですね。
因みに、因縁深い記事として以下の点がなんとなく気になりました。
>2000年代に入り、手書きの良さが再認識され始めたと同時に、万年筆をファッションアイテムとして持つ若年層にも徐々に広がり始めた。
奇しくも、モバイル小物の衰退と万年筆ブームの始まりがシンクロしているように見えるのは私だけでしょうか?
最近のコメント